フロベール 『ボヴァリー夫人』冒頭 その2 Flaubert, Madame Bovary, incipit, 2/3

新入生の描写が終わると、また物語が展開し始める。

On commença la récitation des leçons. Il les écouta de toutes ses oreilles, attentif comme au sermon, n’osant même croiser les cuisses, ni s’appuyer sur le coude, et, à deux heures, quand la cloche sonna, le maître d’études fut obligé de l’avertir, pour qu’il se mît avec nous dans les rangs.

教わったことの復唱が始まった。彼は耳を集中させてそれを聞いた。お説教を聞くみたいに注意をこらし、足を組みもせず、肘をつくこともなかった。2時になり、鐘が鳴った。その時、先生は、時間が来たことを知らせ、ぼくたちの並んでいる列に入るよう、促さないといけなかった。

復唱する主語として、フロベールは「ぼくたち」ではなく、一般的な人を指す« on »を使う。「ぼくたち」を使い続ける単調さを避けるためという理由もあるだろうが、先生が声を出して先導するという含みも持たせたと考えることもできる。
新入生も一緒に声を出したかもしれない。

その新入生は教室の雰囲気に馴染まず、緊張し続けている。みんなが声を出しているとき、彼は一生懸命に耳を傾ける。小声でもいいので声を出しているのか、それとも声も出せないのか、それは文章からだけではわからない。とにかく、ここでは、彼の生真面目さと同時に、不器用さが際立つ。

彼は周囲の空気がまったく読めない。時間になり、みんなが復習室から普通の教室に移動するために立ち上がっても、それに気づかない。

前の一節では描写によって少年の人柄や社会的な状況を読者に伝えたが、この一節は、行動をたどることで、同じ効果をもたらしている。

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