ランボーとサントリー・ウイスキー

1983年、サントリーがアルチュール・ランボーを使って、ウイスキーのCMを作ったことがある。

10歳の頃からすでに詩を書き始め、17歳から20歳くらいの間に『地獄の詩季節』や『イリュミナシオン』に収録される詩を書いた。
その間、ヴェルレーヌとの愛憎劇の末、1873年7月、ブリュッセルのホテルで彼から拳銃を撃たれ、手を負傷。ヴェルレーヌは監獄行き。

21歳の頃からは、ドイツ、イタリア、トーストリアなどを放浪し、ジャワ島などにもやってくる。
最終的にはアフリカに渡り、武器商人となる。そして、1891年、37歳で死を迎えた。右膝の腫れが原因で歩行困難になり、マルセイユの病院で手術を受けるが、癌が全身に周り、亡くなったのだった。

長い間、彼の最後の作品は『地獄の季節』と考えられ、その最後に置かれた詩が「さらば」なので、その作品が、詩に向けられた別れの宣言だと捉えられていた。

早熟の天才が詩を捨て、アフリカで商人として放浪し、最後は足を切断されて死ぬ。
いかにもランボーらしい、格好いい神話の成立する要素は揃っている。

日本におけるランボーのイメージは今でもそんな感じだし、サントリーのCMもそのライン上で作られている。

ランボーの名前を日本で広めるためには、このCMは悪くない。

ランボーとサントリー・ウイスキー」への1件のフィードバック

  1. 米原 2019-08-01 / 11:32

    なんと、粋なものをサントリーは作っていたんですね。
    こんなコマーシャルはちょっと見ない。。。

    いいね: 1人

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