
フランス語を勉強してみたい人、あるいは、もう一度勉強を再開したい人のために、フランス語学習の効果的な方法を考えてみたい。
原則は以下の3つ。
(1)外国語習得の理想は、母語の習得と同じ状況。
(2)文法の2つの側面。
(3)異文化へのアプローチ。
(1)母語習得の状況が理想
乳幼児が言葉を習得する状況を考えてみよう。
大人たちが赤ちゃんに話しかける時、赤ちゃんは音を聞くだけで、意味を理解しているわけではない。
そして、聞こえてきた音に反応して、意味不明の音を発する。
次の段階では、例えば、「マンマ」と言いながら離乳食を与えたり、母親が自分ことを「ママ」と言いながら顔を近づける。
そうした状況の中で、「マンマ」という音の連なり(リズム、イントネーション)が食べ物と繋がり、「ママ」という二音節の音が母親と繋がる。
そこで、子どもは、お腹が減ると「マンマ」という音の塊を発し、食べ物を要求し、何かあれば「ママ」を呼ぶ。
こうした母語の習得過程を考えると、外国語学習でも、最初にすべきことは、耳を音に慣らすことだということがわかる。外国語の音とリズム、イントネーションに慣れることが、言葉の習得のための第一段階なのだ。
次に、音の塊を意味と繋げることが必要になる。
この時、母語であれば言葉が発せられる状況があり、音の塊と現実の状況が繋がることで、言葉の意味が理解される。
それに対して、外国語学習の場には、その状況がない。
そのために、どうしても母語の助けが必要になる。
「オニヴァ」という音が聞こえてたら、「行こう」という意味だとアバウトに理解することになる。
その際、どうしても、フランス語の音と日本語の意味を一対一で対応させがちになってしまう。
しかし、二つの言語の間で意味が完全に重なることはないということは、最初から意識しておきたい。
例えば、「ポワソン」は「魚」を意味する。しかし、フランス語のPoissonはanimalに属する。他方、日本語の「魚」は「動物」とは考えられない。
こうしたずれは常に意識しておきたい。
では、実際にフランス語の音を体験してみよう。
Alphabetの音も聞いてみよう。
フランス語の[ r ]の発音は独特だと言われている。その音を聞いてみよう。
ただし、Parisの[ ri ]をカタカナの「ヒ」と同じと説明している部分は問題。同じなのは、舌の先端が下の歯の根元についていること。
自分の口で試してみると、そのことがよくわかる。
次に、全てフランス語で行われている最初のレッスンを体験しよう。
全く理解できなくても問題はないので、とにかく一連の音を耳から入れ、フランス語の音とリズム、イントネーションに慣れることが大切。
そして、自分で、Bonjourと言ってみること。そのことで、口がフランス語の音に慣れてくる。
フランス語の音に関して、日本語話者が注意しないといけないことが2つある。
A. 音節の意識
日本語では必ず母音が入り、フランス語では母音なしで子音が発声される。
そのために、音の連なりのリズムが二つの言葉で違っている。
例えば、フランスの作家ネルヴァル。
日本語では、ne-ru-va-lu. 4音節。
フランス語では、ner-val. 2音節。
このように、日本語ではr. lの後ろに母音を入れるので、フランス語の発音の際には、音節数を意識して、余計な母音を入れないように注意したい。
その点で、フランス語を音を習得するとき、カタカナを補助として用いることはできるかぎり避ける必要がある。
B. 口の緊張
日本語はあまり口を緊張させず、フランス語は口を緊張させて発声する。
例えば、「い」の音を発音するとき、口にあまり力が入っていない。
それに対して、[ I ]の音は、口を横に強く引き、強い音になっている。
口の緊張を自分一人で改善することは難しいが、少なくとも、日本語との違いを意識していくことは重要である。

言語の習得で最も基本となるものは、音声とリズムとイントネーション。
そこで、フランス語を聞く作業は学習効果を上げることにつながる。
そのために役に立つサイトを紹介しておこう。
目的はフランス語の音に親しむことなので、意味がわからなくても気にしないことが大切。
Jazz Radio Paris Café :フランス語の歌を聞くことができる。
https://www.jazzradio.com/pariscafe
France Musique:クラシック音楽
https://www.francemusique.fr/direct
Mouk:子ども向けの物語。
https://www.youtube.com/user/MoukFrance
Easy French :フランスに関するインタヴュー