ローランド・ハナのジャズ・ピアノは、凜として、品がいい。
ジャズ的なリズム感と豊かな音色が溶け合い、同じ曲を何度も、いつまでも、聞いていたい気持ちになる。
彼が好きな絵は、モネの睡蓮だという。実際、アルバム「Dream」に納められた「So in love」からは、モネの睡蓮のイメージを感じることができる。
ローランド・ハナを代表するアルバムの1枚「Easy to love」から「From this day on」。
ここでもハナのピアノはとても繊細で、メローな曲の雰囲気を十分に感じさせてくれる。
エリントンに捧げられたアルバム「Duke Ellington Piano solos」は、ハナのソロ・ピアノ曲集。
その中の一曲「Portrait of Bert Williams」では、高音の響きがとりわけ美しく響く。
ローランド・ハナが作曲し、サラ・ヴォーンが歌う「seasons」。
力強いサラの歌声が、ハナのピアノの繊細さをますます際立たせる。美しい。
同じアルバム「Crasy and Mixed Up(日本でのアルバム名は「枯葉」)」から「you are so beautiful」。この曲の名演は数が多いが、その中でも上質の出来栄えになっている。
ローランド・ハナとサラ・ヴォーンのデュオは、何度聴いても飽きることがない。
ハナのピアノ・テクニックが堪能できる映像。曲は、「Time for the dansers」。
ベースのジョージ・ムラーツと共演した、ヴィレッジ・ヴァンガードでのライブ映像。
ローランド・ハナの死(2002年11月)の年に録音されたアルバム「Milano, Paris, New Yorl」は、ジョン・ルイスに捧げられている。ベースはジョージ・ムラーツ、ドラムスはルイス・ナッシュ。
幸い、youtubeで9曲全て聴くことが出来る。
ローランド・ハナは最初クラシック・ピアノを学んでいたが、トミー・フラナガンとの交流の中で、ジャズ演奏に移行していったという。
確かに、トミー・フラナガンのピアノの優しさ、繊細さ、力強さと共通した部分があるように感じられる。
フラナガンに関しては、以下の項目を参照。
https://bohemegalante.com/2020/03/31/tommy-flanagan-for-ella-fitzgerald/
ジョン・ルイスのバッハ演奏。
https://bohemegalante.com/2019/02/14/johnlewis-preludes-fugues/