Night and Day 夜も昼も

「夜も昼も(Night and Day)」はコール・ポーターを代表するスタンダード・ナンバー。1932年にミュージカル『陽気な離婚』用に作曲され、1946年に作られたポーターの伝記的映画の題名にもなっている。

それほどよく知られた曲なので、2019年に発表されたウディ・アレンの映画「レイニー・デイ・イン・ニューヨーク」の最後の場面で、非常に効果的に使われている。
かなり複雑な週末をニューヨークで過ごしたカップル、ギャツビー(ティモシー・シャラメ)とアシュレー(エル・ファニング)は、田舎の大学に戻る前に、予め予定していた馬車で散策する。そこでふとギャツビーが、« In the roaring traffic’s boom / In the silence of my lonely room »と呟く。すると、嬉しそうにアシュレーが、« I know that, that’s from Shakespeare, right ? »と答える。その言葉を聞いたギャツビーは複雑な表情を浮かべ、彼女に別れを告げ、馬車から降りてしまう。

映画ではその理由がまったく説明されないままで終わる。なぜか?
ジャズ好きの人間なら、答えはすぐにわかる。

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カーメン・マクレエのピアノ引き語り 新宿ダグでのライブ

カーメン・マクレエ(Carmen McRae : 1920年4月8日~1994年11月10日)は、ニューヨークのハーレムで生まれ、ジャズを代表する歌手として長く活躍した。
彼女の歌はいつ聞いても心を落ち着かせてくれるが、個人的に彼女のヴォーカルを好んで聞くのは、彼女が歌詞を大切にし、英語がとても聞き取りやすいからなのかもしれない。

アルバムの題名” As Time Goes by”は、映画「カラブランカ」の中で歌われた有名な曲から来ている。
1972年に新宿のジャズ喫茶「ダグ」において、カーメン・マクレエがピアノ弾き語りでスタンダート曲を歌った曲が収められている。
彼女の代表作ではないかもしれないが、とても親密な感じが溢れていて、10曲の作り出す約50分あまりの時が、あっという間に過ぎてしまう。

ジャズの楽しさ インプロヴィゼーションとリズム感

一口にジャズといっても様々な様式があり、一つのジャンルにまとめるのが難しい。しかし、一つだけ共通の要素があるとしたら、インプロヴィゼーションだといえる。
一つのメロディーあるいは楽譜があるとして、それに基づきながら、その時その場のインスピレーションに従って、即興的に音楽を生み出していく。

そうしたインプロヴィゼーションの楽しさを実感させる映像と出会ったので、ぜひ紹介したい。
演奏しているのは、ジャズ・ピアニスト上原ひとみ。

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ラプソディ・イン・ブルー 村上春樹の解説で、大西順子のピアノと小澤征爾が指揮するサイトウ・キネン・オーケストラの演奏を聴く

ジャズ・ピアニスト大西順子と、小澤征爾が指揮するサイトウ・キネン・オーケストラのライブがyoutubeにアップされている。まずは、2013年9月6日に松本で行われた、その演奏に耳を傾けてみよう。

ジャズとクラシックの融合したこの演奏が好きか嫌いかは別にして、ここで何が起こっているのか理解するためには、少なくとも私程度のリスナーだと、誰かに解説してもらう必要がある。
実は、この演奏を知ったのも村上春樹の『小澤征爾さんと、音楽について話をする』の最後に収録された雑誌記事なので、村上に教えてもらうことにしよう。

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It never entered my mind 

‘It never entered my mind’は、1940年のミュージカル『ハイアー・アンド・ハイアー(Higher And Higher)』の挿入曲。曲はリチャード・ロジャース、詞はロレンツ・ハート。

ジャズとしてはフランク・シナトラが歌ったことで知られるようになり、その後、1956年にマイルス・デイヴィスがアルバム「’WORKIN」で素晴らしい演奏を披露したことで、スタンダード・ナンバーになった。

シナトラを聴く前に、マイルスのミュートが心に染み入る演奏を聴いてみよう。素晴らしいバラード!

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ケニー・バロン ドライブ感がありながら端正でもあるジャズ・ピアノ

ケニー・バロンのジャズ・ピアノは、ドライブ感があり、エネルギッシュ。その一方で、繊細で端正な側面もある。

バロンが人気ジャズ・ピアニストになったのは、1990年代のテナー・サックス奏者スタン・ゲッツとの共演。アルバム”Voyage”に収められた Voyage はバロン自身の作曲。

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トミー・フラナガン サイド・メンバーとして参加している名盤

トミー・フラナガンジャズ・ピアノは、リリカルでありながら、グルービーでもあり、聞き手の心を包み込み、幸福な気持ちにしてくれる。

そんなフラナガンがリーダーとしてグループを引っ張るアルバムもいいが、サイド・メンバーとしてアルバムに参加しているときも、素晴らしい演奏を繰り広げる。
「名盤の陰にトミフあり」などと言われたこともある。

名盤中の名盤は、テナー・サックス奏者ソリー・ロリンズの「サクソフォン・コロッサス」。
とにかく明るく楽しい。
youtubeで、アルバム1枚丸ごと聞くことができるが、最初「セント・トーマス」から5曲目の「ブルー・セヴン」まで、何度聴いても飽きることがない。

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ローランド・ハナ 品位あるジャズ・ピアノ

ローランド・ハナのジャズ・ピアノは、凜として、品がいい。
ジャズ的なリズム感と豊かな音色が溶け合い、同じ曲を何度も、いつまでも、聞いていたい気持ちになる。

彼が好きな絵は、モネの睡蓮だという。実際、アルバム「Dream」に納められた「So in love」からは、モネの睡蓮のイメージを感じることができる。

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ジョン・ピザレリ John Pizzarelli 気持ちのいいジャズ・ヴォーカル

ジョン・ピザレリの歌声は、軽く、暖かみがある。しかも、軽快にリズムを刻むギターを弾くピザレリの歌は、スイング感に溢れ、いつ聞いても気持ちがよくなる。

クール・ジャズを先頭で引っ張ったピアニスト、ジョージ・シアリングと競演したアルバムに収められた”Everything happens to me” を聞けば、ピザレリの歌声とリズム感にすぐに魅了されてしまう。

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