スティング 「ロシア人」 Sting «Russians» The Russians love their children too.

スティングが、ウクライナ支援のために、1985年に発表した« Russians »をインスタグラムにアップしたというニュースが流れている。
https://www.musiclifeclub.com/news/20220308_05.html

« Russians »は、1980年代の米ソの冷戦時、核戦争で世界が破壊される前に、両国ともに「人道的な感情」を取り戻して欲しいという内容のもの。
英語の歌詞と日本語の訳がついたビデオで聞いて見ると、スティングの思いが伝わってくる。

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戦争の惨禍  ロシア ウクライナ 日本

ロシアがウクライナに侵攻した戦争の被害を映し出す映像を目にする度に、胸が引き裂かれそうになる。
悲しいことに、戦争が続けば続くほど被害は大きくなり、死者の数も多くなる。ウクライナ軍や市民の無事を願い、一刻も早く戦争が終わって欲しいと思う。
それがロシア兵のためでも、ロシア国民のためでもある。

そんな時、ふと、日本が空襲にあった時の映像を思い出した。
Wikipediaには、空襲の被害が次のようにまとめられている。

空襲は1945年(昭和20年)8月15日の終戦当日まで続き、全国(内地)で200以上の都市が被災、被災人口は970万人に及んだ。被災面積は約1億9,100万坪(約6万4,000ヘクタール)で、内地全戸数の約2割にあたる約223万戸が被災した。その他、多くの国宝・重要文化財が焼失した。米国戦略爆撃調査団は30万人以上の死者、1,500万人が家を失ったとしている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/日本本土空襲

最初の空爆は1944年(昭和19年)6月に行われたというから、これだけの甚大な被害が出る間、日本は1年2ヶ月の間、軍事施設だけではなく、市街地に爆撃を受け続けていたことになる。
430の都市が爆撃され、東京大空襲や沖縄戦等々を経て、広島・長崎の原爆投下まで、日本政府は徹底抗戦を主張した。

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イメージの戦争 ロシアのウクライナ侵攻 映像の真偽

ロシアのウクライナ侵攻以来、毎日悲惨な映像が世界中に配信されている。それは戦争の残忍さを伝えるために重要なのだが、他方で、情報操作の道具にもなる。

ビデオの前半は、ロシアのニュース映像。国連の人権理事会でロシア外相が演説したとき、各国代表が退席した。しかし、ロシアで流れた映像では、各国が熱心に聞いている。つまり、映像を加工し、ロシア国民には外相演説時に多くの国が抗議したことがわからないように、映像が加工されている。

後半は、主にアメリカからの情報だが、ウクライナでロシア軍が苦戦している様子を映した映像。最後に出てくるのは、ロシア軍の戦車が残していった戦車に女性が乗っているTiktokの映像。女性はロシア人で、アップされたのは2021年2月、つまり去年のもので、戦争とは無関係。そうなると、それ以前の映像の信憑性も問われてくる。

戦争の残酷さ

イエメン 2022年1月

ロシアがウクライナに侵攻し、戦争の悲惨が世界中で叫ばれている。

ヨーロッパでは、地続きの国で起きている戦争ということで、イラク、アフガニスタン、シリア、そして今も続いているイエメンでの空爆と比較しても、人々の反応は大きい。
ロシアに制裁を課し、ウクライナに兵器を供与することで、何とか戦争を停止させる努力が続けられている。

しかし、そうした中で、忘れられていることがあるのではないかと、欧州議会議員ラファエル・グリュックスマンのテレビでの発言を聞いて思うことがあった。

彼のウクライナに住んでいる友人の一人が、その朝、初めて銃を手に取り、引き金を引いた。しかし、決して人間に銃口を向けることができなかった。そして、グリュックスマンに、「そんなことはできない」と言ったという。

このエピソードは、戦争で戦う一人一人が、たとえ兵士であろうと、対抗する市民であろうと、「一人の人間である」という当たり前のことを思い出させてくれる。

逆に言えば、兵士や敵・味方という鎧をまとってしまうと、相手を殺しても無感覚になってしまう。たとえ普通の市民でも、侵入してくる兵に対して銃を向け、殺害すれば誇りに思う可能性がある。
そして、戦争中は、死者の氏名ではなく、死者の数が発表され、数字の後ろにある人間の実態が隠される。

このようにして、人間性があっという間に失われる、あるいは一時的に消滅してしまうことこそが、戦争の残酷さではないだろうか。

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COP26 環境問題の難しさ

環境問題を話し合う国際会議COP26は重要な会議ですが、参加した国家の首脳たちを乗せた飛行機は400機に上り、13.000トンのCO2を排出したという。こうした矛盾は、環境問題の難しさを如実に物語っているといっていいだろう。

Jets privés, convois XXL : le lourd bilan carbone de la COP26

120 dirigeants du monde d’entier se réunissent en ce moment à la COP26, la grande conférence pour le climat, à Glasgow, en Écosse. Tous veulent montrer qu’ils se soucient de l’avenir de la planète, mais tous ou presque ont fait le déplacement en… jets privés. 400 avions ont atterri en Écosse depuis le début de la conférence, ce qui équivaut à 13 000 tonnes de CO2.

ミシェル・ウエルベックの現代フランス観

ミシェル・ウエルベックの小説は日本でもかなり翻訳されていて、それなりの数の読者もいる。他方、彼の政治的な発言が話題になることはあまりないようだ。

ウエルベックと類似した思想を持つ言論人の一部は、マスコミで盛んに、フランスの衰退、市民戦争、フランス人に代わりイスラム教徒(彼らもフランス人なのだが・・・)が国の多数を占めるなどといったことを話題にしている。ウエルベックは、もう少しニュアンスに富んだレトリックで、同じ問題をイギリスのインタヴューに応えたというニュース。

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読書と演奏 芸術は人間を根本から支える

読書は誰にでもできる行為。しかし、良い読書をすることは難しい。

読書に良いも悪いもない。それぞれの読者が感じること、考えることが大切なのであり、それに対して優劣をつけるのは意味がないし、傲慢でさえある。
そうした考えが、現代において普通に流通している言葉だろう。

ある意味では民主的で、個人を大切にしたように思えるそうした考え方は、読書感想文と密接につながっている。
読書において大切なのは「感想」。情景を思い浮かべ、登場人物について思うことを書き、感動したことを素直に述べる。

最近では、こうしたことさえも重視されず、実用性を重んじる傾向が強まっている。
文部科学省の「大学入試および高等学校指導要領の『国語』改革」に従い、高校では文学の勉強をせずに、実用文に重きを置いた教育をすることになったという。
感想さえも必要なく、主観性を排除して客観的に意味を解読することが求められる時代。

こうした時代の日本にあって、「芸術は人間を根本から支える」などという言葉はまったく意味をなさないのかもしれない。
この表現は、小澤征爾と大江健三郎の対談集『同じ年に生まれて 音楽、文学が僕らをつくった』(中公文庫、2004年)の中で、大江が提示したもの。
二人の芸術家(指揮者と小説家)の言葉を辿っていると、読書とは音楽の演奏と同様の体験だということがわかり、質(クオリティー)の高低があることがわかってくる。

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現代的情報発信と問題解決の困難さ イスラエルとパレスチナの戦闘

2021年の4月からパレスチナとイスラエル間の戦闘が激しさを増し、5月には双方が爆撃する映像が日本でも流れている。

現代では大手マスコミのニュース以上に、個人的な発信が重要な意味を持ち始めていることが、別の視点から見えてくる。例えば、Tiktokを使った情報発信。
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