ベルギー第3の都市ヘントは、中世フランドル地方の街並みがそのまま残されている。
そして、聖バーフ大聖堂では、初期フランドル派絵画を代表するファン・エイク兄弟の「神秘の子羊」を見ることができる。
その他
デイヴィッド・ホックニー 現代の色彩画家
1937年にイギリスで生まれたデイヴィッド・ホックニー(David Hockney)は、現在、フランスのカルヴァドスで活動を続け、ipadで絵画を描くこともあるという。
今回の紹介する映像では、ホックニーの生涯、作品、書籍について大まかに見ることができ、現代の色彩画家が生み出す世界に入るための第一歩になる。
スペイン バロック絵画 peinture baroque en Espagne

スペイン絵画の黄金時代と呼ばれる16世紀後半から17世紀、エル・グレコからヴェラスケスまで、素晴らしいバロック絵画が次々に制作された。
そうした傑作群から共通の要素を取り出すのは難しいが、あえて言えば、ルネサンス美術の理想主義的な均整の取れた美に流動性を与え、現実性と精神性を合わせ持つ絵画だと定義することができるかもしれない。
エル・グレコの「オルガス伯の埋葬」は、その二つの側面を明確に表している。
上部の天上世界は幻想的な雰囲気に満ち、精神性が強く表出される。

古典的な美 調和と善と美 プラトン「ゴルギアス」

プラトンの「ゴルギアス —弁論術について—」の一節は、秩序や調和(ハーモニー)が古典的美学の中で、なぜ善きものとなり、美と見なされるのか、私たちにわかりやすく教えてくれる。
「ゴルギアス」は、副題の「弁論術について」が示すように、人間を善に導く弁論術と、そうではない弁論術についてソクラテスが論じるのだが、その中で、他の様々な技術を例に引いて説明している。
その中で、ソクラテスは、調和(harmonie)、秩序(ordre)、形(forme)が、有益さや優れた性能、善きもの(bien)を生み出すことを、簡潔に、しかし説得力を持って論じていく。
続きを読むターナーとコンスタブル イギリスで最も人気のある2枚の絵画 「戦艦テメレール号(The Fighting Téméraire)」 「乾草車(The Hay Wain)」
イギリスで最も人気のある絵画は、ターナーの「解体されるために最後の停泊地に曳かれてゆく戦艦テメレール号(The Fighting Téméraire tugged to her last Berth to be broken)」。2番目はコンスタブルの「乾草車(The Hay Wain)」だという。
The National Galleryの提供している解説を聞くと、コンスタブルやターナーが、ドラクロワから印象派へと続くフランス絵画にも影響を与えていることの意味がわかってくる。
ロマン主義絵画 メランコリーの美
レオナルド・ダ・ヴィンチ モナ・リザの謎 Mystères de La Joconde de Léonard de Vinci
線の表現 Expression en ligne
絵画の中で、線は様々な表現をする。
直線、曲線、折れ曲がった線。それらを使うことで、物の形をしっかりと表したり、スピード感を出したり、ユーモラスな感じを伝えることもできる。
最初に、ラスコーの洞窟の中に描かれた馬の絵を見てみよう。
馬の身体は穏やかな曲線で描き出され、ゆっくりと進んでいく様子を見事に捉えている。

ベルナール・ビュッフェの「サバーバン・コーヒー」に目をやると、直線の表現が街並みを鋭角的に描き出し、スタイリッシュな雰囲気を生み出している。

こうして二つの絵を見比べてみるだけで、線の表現の面白さを感じることができる。
続きを読むボルケーゼ美術館の彫刻 アポロンとダフネ プロセルピナの略奪
ローマにあるボルケーゼ美術館には素晴らし彫刻が並んでいるが、なかでも「アポロンとダフネ」と「プロセルピナの略奪」には息を飲む美しさがある。
二つの作品とも、イタリア・バロックを代表するジャン・ロレンツォ・ベルニーニ(1598−1680)の作品。
バロックらしい躍動感と細部の繊細さが見事に調和している。
