古典的な美 調和と善と美 プラトン「ゴルギアス」

プラトンの「ゴルギアス —弁論術について—」の一節は、秩序や調和(ハーモニー)が古典的美学の中で、なぜ善きものとなり、美と見なされるのか、私たちにわかりやすく教えてくれる。

「ゴルギアス」は、副題の「弁論術について」が示すように、人間を善に導く弁論術と、そうではない弁論術についてソクラテスが論じるのだが、その中で、他の様々な技術を例に引いて説明している。

その中で、ソクラテスは、調和(harmonie)、秩序(ordre)、形(forme)が、有益さや優れた性能、善きもの(bien)を生み出すことを、簡潔に、しかし説得力を持って論じていく。

続きを読む

ターナーとコンスタブル イギリスで最も人気のある2枚の絵画 「戦艦テメレール号(The Fighting Téméraire)」 「乾草車(The Hay Wain)」 

イギリスで最も人気のある絵画は、ターナーの「解体されるために最後の停泊地に曳かれてゆく戦艦テメレール号(The Fighting Téméraire tugged to her last Berth to be broken)」。2番目はコンスタブルの「乾草車(The Hay Wain)」だという。

The National Galleryの提供している解説を聞くと、コンスタブルやターナーが、ドラクロワから印象派へと続くフランス絵画にも影響を与えていることの意味がわかってくる。

ロマン主義絵画 メランコリーの美

19世紀前半の絵画の中には、ロマン主義的な雰囲気を持つ魅力的な作品が数多くある。
日本ではあまり知られていない画家たちの作品を、少し駆け足で見ていこう。

最初は、アンヌ=ルイ・ジロデ=トリオゾンの「エンデュミオン 月の効果」(1791)。
最初にルーブル美術館を訪れた時、まったく知らなかったこの絵画を見て、しばらく前に立ちつくしたことをよく覚えている。

Anne-Louis Girodet-Trioson, Endymion ou effet de lune
続きを読む

レオナルド・ダ・ヴィンチ モナ・リザの謎 Mystères de La Joconde de Léonard de Vinci

ダ・ヴィンチの「モナリザ」は、世界中で一番有名な絵画といえるだろう。
しかし、ルーブル美術館で本物を見たとしても、なぜこの絵画がそれほど人々を惹きつけるのは、正直なところよくわからない。

絵そのものをじっくりと見つめるだけで美を感じられればいいのだろうけれど、眉がなく、顔と肩から下の身体のバランスが少し変で、手が異常に大きい女性の姿をみて、美しいとすぐに言うことはできない。

謎の微笑みと言われる顔の表情も、微笑んでいるのか、こちらを見つめているのか、はっきりしない。

そうしたわからなさに惹きつけられて、モナ・リザの謎を探ってみよう。

続きを読む

線の表現 Expression en ligne

絵画の中で、線は様々な表現をする。
直線、曲線、折れ曲がった線。それらを使うことで、物の形をしっかりと表したり、スピード感を出したり、ユーモラスな感じを伝えることもできる。

最初に、ラスコーの洞窟の中に描かれた馬の絵を見てみよう。
馬の身体は穏やかな曲線で描き出され、ゆっくりと進んでいく様子を見事に捉えている。

ベルナール・ビュッフェの「サバーバン・コーヒー」に目をやると、直線の表現が街並みを鋭角的に描き出し、スタイリッシュな雰囲気を生み出している。

こうして二つの絵を見比べてみるだけで、線の表現の面白さを感じることができる。

続きを読む

ボルケーゼ美術館の彫刻 アポロンとダフネ プロセルピナの略奪

ローマにあるボルケーゼ美術館には素晴らし彫刻が並んでいるが、なかでも「アポロンとダフネ」と「プロセルピナの略奪」には息を飲む美しさがある。
二つの作品とも、イタリア・バロックを代表するジャン・ロレンツォ・ベルニーニ(1598−1680)の作品。
バロックらしい躍動感と細部の繊細さが見事に調和している。

Bernini Apollon et Daphné
続きを読む

芸術のために

芸術の種類

芸術にはどんなものがあるか、思い出しておこう。

映画を第七の芸術と呼ぶことがある。
(1)建築、(2)彫刻、(3)絵画、(4)音楽)、(5)ポエジー(詩、文学)
これらは、物質的な側面の強いものから精神的な側面が強いものへという順番に従って、ヘーゲルが列挙したものである。
(6)ダンス(舞踏)、(7)映画

続きを読む

6歳の抽象絵画の画家

2019年6月1日のフランス2、20時のニュースで、6歳で抽象絵画を描くドイツ人の子どもが紹介されていました。
色彩感覚が素晴らしいと思います。

https://www.francetvinfo.fr/monde/europe/allemagne/peinture-portrait-d-un-prodige-allemand_3470591.html

À l’âge où les enfants dessinent encore des maisons et des bonshommes, Mikail Akar, 6 ans, est déjà considéré comme un petit maître de l’art abstrait. Ses toiles se vendent près de 5 000 euros. Le jeune garçon a déjà des gestes précis et une assurance déconcertante. Lorsqu’on lui demande quel est son artiste préféré, Mikail ne se démonte pas. “Moi-même. Et sinon ? Jean-Michel Basquiat, Jackson Pollock et Michael Jackson“, détaille-t-il.