ロンサール 「あなたが年老い、夕べ、燭台の横で」 Pierre de Ronsard « Quand vous serez bien vieille, au soir, à la chandelle » 

Pierre de Ronsard

ピエール・ド・ロンサールが1587年に発表した『エレーヌのためのソネット集(Sonnets pour Hélène)』には、とても皮肉な恋愛詩が収められている。
それが、「あなたが年老い、夕べ、燭台の横で」。

このソネットのベースに流れているのは、「今を享受すること」を主張する思想。だからこそ、詩人は、自分の愛に応えて欲しいと、愛する人に願う。

ロンサールは、ソネットの二つのカトラン(四行詩)と最初のテルセ(三行詩)の中で、動詞の時制が未来形に置かれ、「あなたが年老いた時」のことを描き出す。その時には、あなたの美は失われ、暗い夕べの中で過去を懐かしみ、後悔するだろう、と。

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ボードレール 「腐った屍」 Baudelaire « Une Charogne » 奇妙な恋愛詩

ボードレールの「腐った屍(Une Charogne)」は、とても奇妙な恋愛詩。

恋人と二人で道を歩いているとき、一匹の動物の腐った死骸を見る。蛆がたかり、肉体は崩れかけている。
そのおぞましい光景を描きながら、愛の歌にする。

どうしてそんなことが可能なのだろう?

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