
サン=テグジュペリの『星の王子さま』(1944)は、日本で最も名前の知られているフランス文学作品の一つであるが、これほどの人気の秘密はどこにあるのだろうか。
まず、作者自身の手による挿絵の力が大きい。王子さまの愛らしい姿は、この作品の大きな魅力を形作っている。
実際、この作品は子どもに向けて書かれたと言われており、誰でも簡単に王子さまの不思議な世界の入り口に立つことができる。
しかしその一方で、奥行きも深い。最も有名な言葉、「大切なことは目に見えない」等の心に響く印象的な表現が、読者の心を捉える。その意味で、入り口が広いという以上に、奥行きが深い作品だといえる。
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