
ボードレールは、いつでも虚勢を張り、人を驚かせるダンディスムを身に纏っている。それほど、彼の詩句はいつでも格好いい。
しかし、時には一人になり、他人の目を意識しない時には、弱音が出ることもある。
外でさんざん虚勢を張った後、小さなアパートの部屋に戻る。疲れ果てて一人でいると、ふと本音が出てしまう。
「午前1時に(À une heure du mation)」からは、そんなボードレールの生の声が聞こえてくる。
Enfin ! seul ! On n’entend plus que le roulement de quelques fiacres attardés et éreintés. Pendant quelques heures, nous posséderons le silence, sinon le repos. Enfin ! la tyrannie de la face humaine a disparu, et je ne souffrirai plus que par moi-même.
やっと! 一人だ! 聞こえてくるのは、もう、夜も遅くなり疲れ果てた馬車の走る音だけ。何時間かは静かでいられるだろう。心が安まるわけでないとしても。やっとだ! 人間の顔の横暴が消えた。苦しむとしたら、もう、私自身によるだけ。
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