アルフレッド・ド・ミュッセ 「悲しみ」 Alfred de Musset  « Tristesse »

アルフレッド・ド・ミュッセ(Alfred de Musset : 1810-1857)の「悲しみ(Tristesse)」は、現在の言葉で言えば、自分の価値を疑い、自己肯定感を持てない自分の存在を嘆いた詩と言ってもいいだろう。「今の私に残された慰めは、時どき涙を流せたことだけ」といった最後の言葉は、どうしようもないやりきれなさを告白しているようでもある。

しかし、そうした幻滅感(désenchantement)を表している詩句は、大変に簡潔でありながら、音楽的で、美しい。また、母音や子音の反復が非常に巧みに配置され、意味を際立たせている。その音楽性を感じることで、悲しみがいつしか慰めに変わっていくことになるだろう。

いくつかの単語の意味を確認した上で、まず«Tristesse»の朗読に耳を傾けてみよう。
fierté――誇り、プライド
génie――才能
Vérité――真実
dégoûté――うんざりする
éternel――永遠の
se passer de――……なしで済ませる

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