ロンサール 「愛しい人よ、さあ、バラを見に行こう」Ronsard « Mignonne, allons voir si la rose » 今をつかめ Carpe Diem

16世紀を代表する詩人ピエール・ド・ロンサールの詩「愛しい人よ、さあ、バラを見に行こう。」« Mignonne, allons voir si la rose »は、フランス詩の中で最も有名なものの一つ。

その恋愛詩のベースになるのは、「時間が過ぎ去り、戻ってこないこと」というテーマである。そして、過ぎゆく「今」という時を捉えよという、Carpe Diem(今をつかめ)の思想が美しく表現されている。

また、ロンサールの詩は、シャンソンでもあり、メロディーを付けて歌われた。その音楽性が言葉の意味と融合し、詩の美しさを作りだしている。まずは、古い時代のリュートにのった歌声に耳を傾けてみよう。

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ラヌラグ公園 マルモッタン美術館に向かう道

モネの「印象、日の出」を見るために、マルモッタン美術館に行く人は多い。

印象派の出発点となったと言われるその絵。本物を見る価値はもちろんある。

それと同時に、メトロのラ・ミュエット駅から美術館まで行く間に通るラヌラグ公園の美しさにも目を止めたい。

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アポリネール 「ミラボー橋」の美を探る Guillaume Apollinaire « Le Pont Mirabeau »

ギヨーム・アポリネールの「ミラボー橋」« Le Pont Mirabeau »(1913)は、作者であるアポリネールと恋人のマリー・ローランサンの恋愛感情が消え去っていく哀しみを、セーヌ河の流れに例えて歌った恋愛詩として、今でもよく知られている。

この詩のベースにあるのは、人間の思いにもかかわらず、時は流れ去ってしまい、二度と戻って来ないというテーマ。(La fuite du temps)

そのテーマの中で、16世紀のロンサールはCarpe Diem(今をつかめ)という意識から美を生みだし、19世紀のラマルティーヌは過去に対するメランコリックなあこがれから美を生み出した。
では、20世紀初頭のアポリネールは、どのように美を作り出したのだろうか。

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ヴェルレーヌのコレスポンダンス 「クリメーヌに」 Verlaine, « À Clymène »

「クリメーヌに」« À Clymène »は、数あるヴェルレーヌの美しい詩の中でも、最も美しい。しかも、その土台には、ボードレールから受け継いだコレスポンダンスの思考があり、それを音楽的に表現している。

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You are too beautiful 美しすぎて

You are too beautifulは、リチャード・ロジャース(作曲)とロレンツ・ハート(歌詞)の名曲。

決定的な名演奏は、コルトレーンとジョニー・ハートマンのもの。ハートマンの歌声はどこまでも甘い。それに寄り添うコルトレーンのテナー・サックス。メロディーラインをたどるだけだけれど、心にすっと入ってくる。マッコー・タイナーのピアノも心地いい。

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ゴッホのひまわり 

France 2の20時のニュースで、ゴッホのひまわりを取り上げていました。

https://www.francetvinfo.fr/economie/emploi/metiers/art-culture-edition/van-gogh-une-fascination-pour-les-tournesols_3211945.html

ゴッホにとってひまわりは宗教的なシンボル(un symbole religieux)であり、神的な次元、神聖な次元 la dimension divine, la dimension sacrée)を表しているそうです。ひまわりが太陽を探すように人間は神を探すという考えは、いかにもキリスト教的な感じがします。