ベティ・ブルー 37º2 Le Matin 激しく美しい愛の物語

1986年に公開された「ベティ・ブルー(37.2 Le Matin)」。フランスではキュルトゥ(culte、信仰)と言われ、今でも信奉者がいるほど、人々の記憶に強く焼き付いている。

ベティとゾルグが暮らす海沿いの風景の中に、サックスの曲が流れる。このシーンを体験するだけで、カブリエル・ヤレドの音楽とジャン=フランソワ・ロバンの映像が作り出す見事な世界を体感することができる。

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アメリ Le destin fabuleux d'Amélie Poulain 開く心

「アメリ(原題:アメリ・プランの不思議な運命)」は、主演のオドレイ・トトゥの独特な表現や彼女を取り囲む小物、赤と緑を基調とした色彩、パリを感じさせる街並み等のために、2001年の公開以来、現在でも人気がある。

物語は、アメリの恋物語を縦糸にし、彼女のかかわる人々の人間模様が横糸になる。

心を閉ざしたアメリは、ある事件をきっかけに人と関わり始める。それと同時に、インスタント写真を貼ったアルバムの謎を通して、ニノとの恋物語が語られる。
そうした展開の中で、閉ざされた心が外に開かれいていく過程が描き出され、多くの観客の共感を呼ぶことになった。

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最強のふたり Untouchable フランス映画入門に

最初に見るフランス映画として、「最強のふたり」は最適な作品だろう。

主人公の二人、車いすに乗ったフィリップと、彼の世話をする黒人のドリスの間に出来上がっていく心の絆は、他の人間からは触れられない、貴重なもの。

フランス語の題名Untouchable(触れてはならないもの)は、その二人の関係を示している。

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映画誕生時から見る、映画の構成要素

普段、私たちは何となく映画を見ているが、映画はいくつかの基本的な要素から構成されている。

そうした要素は、全てが最初から存在したわけではなく、映画の進化に伴って徐々に付け加わっていった。
映画の誕生から歴史的に見ていくと、その進化が明確になる。

1)最初の映画 ワンカット・ワンシーン

リュミエール兄弟が、1895年、パリのグラン・カフェで世界初の映画を上映した。
その映画は、ワンカット・ワンシーン。つまり、撮影したままのフィルムを、そのままスクリーンに映写したもの。

最初に上映された映画「工場の出口」は、リュミエール兄弟の工場から出てくる人々の映像をそのまま流している。

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ニュー・シネマ・パラダイスとロマン主義的抒情

本当に久しぶりに、「ニュー・シネマ・パラダイス」を見た。日本での公開は1989年だから、ざっと30年ぶりくらい。懐かしいと同時に、やはりいい映画だと思う。音楽はいつ聴いても、心を震わせてくれる。

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万引き家族 言葉と現実

「万引き家族」は、親の死亡届を出さず、年金を不正に受給していた家族の実話に基づき、是枝裕和監督が家族のあり方を考えた映画だという。(wikipedia)

現在、実の親による子どもの虐待が度々ニュースで報じられる中、血の繋がらない大人と子どもが集まり、家族のように暮らす人々を描いたの映画。

家族は血が繋がっていると考えるのが普通の考え方。血縁関係にない人々がいかにも家族のように暮らしても、疑似家族にしかならない。家族のまねごと?

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「男と女」53年後の続編 Les plus belles années d’une vie

クロード・ルルーシュ監督が、「男と女」の続編を撮影したということで、2019年のカンヌ映画際で話題になっています。
題名は、「人生で一番美しい年」。

「男と女」は、映像の美しさと、フランシス・レイの音楽で、日本でもよく知られていました。