ジャン・ジャック・ベネックス監督の死

2022年1月13日、ジャン・ジャック・ベネックス監督が75歳で死去した。
そのニュースを伝えながら、「ル・パリジアン」では監督のキャリア全体を振り返っている。
https://www.leparisien.fr/culture-loisirs/disparition-le-realisateur-jean-jacques-beineix-est-mort-a-75-ans-14-01-2022-ZZS4VRXLCVGSFIAN3MMEUV27YU.php

ベネックス監督の代表作「ディーバ(Diva)」はスタイリッシュでとにかく格好よく、「ベティ・ブルー(37°2 le matin)」は激しい情熱恋愛(パッション)が全てを美しく燃焼する映画だった。

ディーバ Diva ジャン・ジャック・ベネックス監督のスタイリッシュな傑作
ベティ・ブルー 37º2 Le Matin 激しく美しい愛の物語
この二つの作品は、いつ見ても、素晴らしい。

フランソワ・トリュフォー監督とアントワーヌ・ドワネル

アントワーヌ・ドワネルの人生を描いた四本の作品 — 「大人は判ってくれない」(Les Quatre cents coups、1959年)、「夜霧の恋人たち」(Baisers volés、1968年)、「家庭」(Domicile conjugal、1970年)、「逃げ去る恋」( L’Amour en fuite、1979年)— は、フランソワ・トリュフォー監督を代表する作品。その4つの作品が簡潔に紹介されている。

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バルザック原作 グザヴィエ・ジャノリ監督 「幻滅」 紹介 ——— ジャノリ監督と主演バンジャマン・ボワザンのインタヴュー 

フランス文学を代表するバルザックの『幻滅』が、グザヴィエ・ジャノリ監督によって映画化された。その紹介と、監督グザヴィエ・ジャノリと主演バンジャマン・ボワザンのインタヴュー

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狂女たちの舞踏会(Le Bal des Folles) メラニー・ロラン監督と原作者ヴィクトリア・マスのインタヴュー

アマゾンプライムで公開された「狂女たちの舞踏会(Le Bal des Folles)」は、19世紀後半、精神病院に入院させられた女性たちをテーマにした作品。
監督のメラニー・ロランと、原作となった小説の作者ヴィクトリア・マスのインタヴュー。

12分からは、ジュリエット・アルマネットとビラール・アサニという二人の歌手を加えた4人のPlaylist.

フランソワ・オゾン監督 ソフィー・マルソー主演 Tout s’est bien passé 安楽死をテーマにした映画

安楽死をテーマにした映画はこれまでにもあったが、フランソワ・オゾン監督がそのテーマをどのように扱うかは大変に興味深い。

2021年のカンヌ映画祭に出品された”Tout s’est bien passé”がその映画。9月22日から公開されるのを前にして、オゾン監督と主演のソフィー・マルソーが”Quotidien”に出演している。


映画「オキシジェン」 メラニー・ロランとマチュー・アルマリック監督のインタヴュー

「オキシジェン」は、極低温装置内で目覚めた女性リズが、だんだんと酸素が枯渇していく中、自分は誰なのか、なぜ閉じ込められているのかを思い出そうともがく、という内容の映画。

主演したメラニー・ロランと、監督のマチュー・アルマリックが、映画について語るインタヴューは、とても面白い内容になっている。

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映画の倫理と時代の倫理 終戦直後の小津安二郎作品

私たちは特別意識しないままに、今生きている時代、今生きている場所に流通する倫理観を持っている。そして、その倫理観に基づいて、物事を判断し、自分の行動を決定したりする。

そうした時代性、地域性を意識しないと、自分の持っている倫理観が、全ての時代、全ての人間に共通していると思い込む可能性がある。
また、意識したとしても、別の倫理観を受け入れられないこともある。

古い映画を見るとき、共感できることもあれば、感情的に反発することもある。それは、映画の中で描かれた社会の倫理観と自分の持つ倫理観と関係している。
映画は、映像と音声によって作られる擬似的な世界。観客はフィルムが続く間、その世界を体感する。つまり、現実の世界と類似した経験をするのであり、必然的に倫理観も同様に働く。

映画としての価値とは別の次元で、倫理観や価値判断が働き、好きな映画、受け入れられない映画の違いが出てくる。
そうしたことを、小津安二郎監督が終戦後に制作した「長屋紳士録」から「東京物語」までの6本の映画を通して考えてみよう。

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ディーバ Diva ジャン・ジャック・ベネックス監督のスタイリッシュな傑作

「ディーバ(Diva)」では、物語が最小限に抑えられ、映像と音楽が生み出すスタイリッシュな場面がリズミカルに連続していく。
1981年の作品だが、2020年の現在見ても十分に斬新さが感じられ、映画的な楽しさを味わうことができる。
ジャン・ジャック・ベネックス監督が5年後に制作した「ベティ・ブルー(37°2 le matin)」と比べても、尖っているし、格好いい。

以下のサイトで、全編を通して見ることができる。(英語字幕)
https://vimeo.com/327232594

映画が始まってから約7分の間、一言もセリフがなく、若い郵便配達人ジュール(Frédéric Andréi)がクラシック音楽のリサイタルに行き、憧れの歌手の歌をこっそりテープレコーダーで録音する場面が続く。
観客は、アメリカのソプラノ歌手シンシア・ホーキンス(Wilhelmenia Wiggins Fernandez)の歌だけではなく、コンサート会場(Bouffes du Nord)そのものにも惹きつけられる。

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