アレクサンドル・タローのピアノ ショパンとバルバラ  Chapin et Barbara sur le piano d’Alexandre Tharaud 

アレクサンドル・タロー(Alexandre Tharaud)のピアノはリリカルで優しい。
彼は、ミヒャエル・ハネケ監督の「愛、アムール(Amour)」の中で若いピアニストを演じていたが、彼のピアノの音色は映画の中のイメージを決して裏切らない。

2013年にショパンの曲を集めた「ショパン、日記(Chopin, Journal intime)」。題名も彼らしい。

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チック・コリア 2018年のソロピアノ集 Chick Corea plays

チック・コリアが2018年にアメリカやヨーロッパで行ったライヴを集めた” Chick Corea plays”.
ジャズだけではなく、クラシック、ポップス、ボサノバと、様々なジャンルの間を自由に行き交い、素晴らしいピアノ演奏を繰り広げている。

チック・コリアの言葉:
「私はある種の血統の一部なのです。私がやっていることは、モンクがやったこと、ビル・エヴァンスやデューク・エリントンがやったことと似ていて、また別の音楽の時代に戻って、バッハやモーツァルト、ベートーヴェンがやったことと似ています。これらのピアニストは皆、心の底から作曲家であり、自分たちの音楽家を集めて演奏していました。その伝統の一部であることを誇りに思います。」

Mozart: Piano Sonata in F, KV332 (2nd Part – Adagio)

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ルイ14世の宮廷音楽 17世紀フランス・バロック音楽の美

17世紀のフランス・バロック音楽の素晴らしい演奏と歌をyoutube上で聞くことができる。

作曲は、ルイ14世の宮廷で活動していた、マラン・マレ、ミッシェル・リシャール・ド・ラランド、ルイ・クープラン、ロベール・ド・ヴィゼ。

マラン・マレ:リュリ氏のための墓石(Tombeau pour Monsieur de Lully)

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ジョスカン・デ・プレ Josquin des Prés ルネサンスの音楽

ジョスカン・デ・プレ(Josquin des Prés)は、15世紀後半から16世紀初めにかけて活動した、盛期ルネサンスを代表するフランドル学派の作曲家。

レオナルド・ダ・ヴィンチと同時代に活躍しため、レオナルドが絵画において果たした役割を音楽において果たしたと言われることもある。
宗教改革で有名なルターからは、「ジョスカンは音符の主人。他の作曲家は音符の指図に従う。ジョスカンに対しては、音符が彼の望み通りに表現する。」と言われたとされ、非常に高く評価された。

ルネサンス期の文学作品を読み、絵画を見る時、ジョスカン・デ・プレの曲に耳を傾けるのも悪くない。

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ハイドン パリ交響曲 Haydn Symphonies parisiennes 古典的様式の完成

ハイドンの交響曲第82番から87番までの6曲は、パリ交響曲と呼ばれている。
名前の由来は、パリにある大編成のオーケストラの団体コンセール・ド・ラ・オランピックから注文を受けて、1785年から86年にかけて作曲したことによる。

6曲の中から、「王妃」という副題がついている第85番を聞いてみよう。
マリー・アントワネットがこの曲を気に入ったため、「王妃」と名付けられたという逸話がある。
豪華さを感じるために、現代のオーケストラ、レオナール・バーンスタイン指揮、ニューヨーク・フィルハーモニーの演奏で。

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ハイドン 円熟期の交響曲 ザロモン・セット

初期のハイドンの交響曲は、小編成で、まだなんとなく室内楽の雰囲気を残している。
https://bohemegalante.com/2020/03/27/haydn-premieres-symphonies/

それに対して、ハイドンが1791年にロンドンに渡り、それ以降に作曲した交響曲は、40人から60人の、かなり大きなオーケストラ編成になっていたという。

1791年から1795年の間に作曲された「ザロモン・セット」から、幾つかを聞いてみよう。
初期の室内楽的な雰囲気ではなく、モーツアルトやベートーヴェンの交響曲に繋がる曲になっている。

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ハイドンの初期交響曲 清々しいハーモニー

ハイドンの名前はクラシック音楽としてはよく知られているが、残念ながら、あまり多く聴かれているとはいえない。
でも、実際に聴いてみると、実に清々しく、いい気持ちにしてくれる。

18世紀の半ば(1757年頃)作曲されたとされる最初の交響曲、第37番を手始めに聴いてみよう。
指揮はアンタル・ドラティ。フィルハーモニア・フンガリカの演奏。

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メンデルスゾーン、ショパンの「舟歌」とヴェルレーヌのこの上なく美しい詩

ヴェルレーヌが1874年に出版した詩集『言葉なき恋愛(Romances sans paroles)』は、メンデルスゾーンのピアノ曲集『言葉なき恋愛(Lieder ohne Worte)』に由来すると言われている。

メンデルスゾーンのピアノ曲集には、「ベニスのゴンドラ乗りの歌」と題された曲が3つ入っている。
同じように、ベルレーヌの詩集にも舟歌がある。
「クリメーヌに」。
「神秘的な舟歌(Mystiques barcarolles)」という詩句で始められる。

作曲家と詩人を繋ぐものとして、もう一つの舟歌があるかもしれない。
それが、ショパン晩年の曲「舟歌」。フランス語の曲名は、Barcarolle。
ヴェルレーヌが、« Mystiques barcarolles »綴ったとき、メンデルスゾーンだけではなく、ショパンの曲も心に思い描き、二人の舟歌が詩人の内部で鳴り響いていただろう。

そうして出来上がった詩「クリメーヌに」は、ヴェルレーヌの中でも、最も美しい。

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ハイドンのピアノ・ソナタ Haydn Piano Sonata played by Alfred Brendel

モーツアルトやベートーヴェンと比べると、ハイドンは少し評価が低い。
しかし、実際に聞いてみると、実に気持ちがいい。
葛藤や屈折がなく、素直で、清々しい感じがする。

例えば、アフルレッド・ブレンデルが演奏するピアノ・ソナタ集の一曲「ファンタジア」。

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スタイリッシュなショパン「練習曲」 Alessandro Deljavan joue ‘Études’ de Chopin

アレッサンドロ・デリャヴァン(Alessandro Deljavan)は、1987年生まれのイタリア人ピアニスト。
https://alessandrodeljavan3.welltempered.com/biography/

彼が演奏するショパンの「練習曲集」は、スタイリッシュで、とても現代的。
リリカルかつ情熱的なショパンを聞き慣れている耳には、とても新鮮に聞こえる。