ヴォルテール 『哲学書簡』 啓蒙主義の出発点  

18世紀を代表する文学者、哲学者といえば、ヴォルテールの名前が最初に挙げられる。
1694年に生まれ、1778年に83歳で亡くなるまで、波瀾万丈の人生を送りながら、演劇、詩、小説、哲学、歴史書、政治的啓発文書、日記等、様々な分野の著作を手がけた。

ヴォルテールの思想を一言で言えば、理性による現実の検証によって真理を知ろうとする姿勢。
現実主義者であり、人間の幸福は、五感を使い、現実に生きる中で得られるものと考える。宗教的な制度が課す束縛を嫌い、自由を第一に考える。
ヴォルテール自身が言ったのではないが、彼の言葉として流通している、「私はあなたの言うことに同意しない。しかし、あなたがそのように発言する権利は死んでも守るつもりだ。」という言葉は、彼の姿勢を象徴している。

簡単に彼がどんな人生を送ったのか、振り返っておこう。

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ラ・フォンテーヌ 影のために獲物を逃す犬 La Fontaine « Le Chien qui lâche sa proie pour l’ombre » 想像力について

17世紀のフランスにおいて、想像力(imagination)は、人を欺く悪いものだと考えられていた。
例えば、ブレーズ・パスカルは『パンセ(Pensées)』の中で、「人間の中にあり、人を欺く部分。間違いと偽りを生み出す。(C’est cette partie décevante dans l’homme, cette maîtresse d’erreur et de fausseté […]. B82)」とまで書いている。

ラ・フォンテーヌは、わかりやすい寓話の形で、その理由を教えてくれる。
その寓話とは「影のために獲物を逃す犬(Le Chien qui lâche sa proie pour l’ombre)」。
獲物(proie)が実体(être)、影(ombre)が実体の映像=イメージ(image)と考えると、イメージを作り出す力である想像力(imagination)が、人を実体から遠ざけるものと考えられていた理由を理解できる。

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パスカル 考える葦 Pascal Roseau pensant その2 

「人間は考える葦である。」や「クレオパトラの鼻がもっと低かったら、世界の歴史も変わっていたであろう。」という言葉を通して、日本でもよく知られているブレーズ・パスカル。
彼の考えたことを少しでも理解したいと思い、『パンセ(Pensées)』を読んでも、なかなか難しい。

『パンセ』が、キリスト教信仰のために書かれたものだというのが、大きな理由かもしれない。
神のいない人間の悲惨(Misère de l’homme sans Dieu)
神と共にいる人間の至福(Félicité de l’homme avec Dieu)
そう言われても、キリスト教の信者でなければ、実感はわかないだろう。

想像力(imagination)や好奇心(curiosité)は人を過ちに導くという考えは、現代の価値観とは違っている。

パスカルと同じ17世紀の思想家デカルトと、「考える(penser)」ことに価値を置く点では共通している。
https://bohemegalante.com/2020/05/15/pascal-pensees-roseau-pensant/
しかし、パスカルには、デカルトの考え方は許せないらしい。デカルトは役に立たず(inutile)、不確かだ(incertain)と断定する。(B. 78)
その理由は、理性(raison)について価値判断の違いから来ているようだ。

こうしたことを頭に置きながら、パスカルの書き残した断片を読んでみよう。

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パスカル 『パンセ』 人間は考える葦である Pascal, Pensées, Un roseau pensant

ブレーズ・パスカルの「人間は考える葦である。」という言葉は誰でも知っている。しばしばデカルトの「我思う、故に我在り。」と並べて語られることもある。

この有名な二つの言葉には共通する要素がある。それは、「考える(Penser)」という動詞。
« L’homme, […], c’est un roseau pensant. » (Pascal)
« Je pense, donc je suis. » (Descartes)

17世紀の二人の思想家、哲学者は、「考える」ということを思索の中心においていることがわかる。

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