ボードレール 「酔いたまえ」 Baudelaire « Enivrez-vous » 美のエクスタシー

ボードレールの散文詩「酔いたまえ」を、イタリア生まれの俳優で歌手のセルジュ・レジアニがささやく。
こほほどセクシーな朗読が他にあるだろうか。

ボードレールはとても美しいことを書いていると言った後、レジアニは、詩人の詩句を自分の言葉のように語り始める。
しかも、最後には、詩句にはない一言を加えてしまう。あたかも自分の詩であるかのように。

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ボードレールの墓 モンパルナスの墓地 Le tombeau de Charles Baudelaire dans le cimetière de Montparnasse

6番線のメトロでエドガー・キネの駅を下り、エドガー・キネ通りを少し歩くと、モンマルトルの墓地がある。
https://fr.wikipedia.org/wiki/Cimetière_de_Montmartre

入り口を入り、最初の通りを右に曲がり、突き当たりを左に曲がる。そこから数歩のところにシャルル・ボードレールの墓がある。

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ボードレール「コレスポンダンス」(万物照応) Correspondances

ボードレールの「コレスポンダンス」« Correspondances »は、19世紀以降の文学を理解する上で最も重要な詩だといえる。この詩の中に象徴の森という言葉があり、19世紀後半には、象徴主義のマニフェストとさえ見なされた。

コレスポンダンスとは本来、地上と天空の対応を意味し、ルネサンス思想の中心的な概念だった。

占星術において、星の動きから人間の人生や社会の出来事を予測することができるとしたら、星と人間界の間に対応関係があるからだということになる。

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ル・グラン・ヴェフール le Grand Véfour

パリの中心、パレ・ロワイヤル公園の端にあるレストラン、ル・グラン・ヴェフール。18世紀の終わりからずっと同じ場所にあり、昔から有名な作家や芸術家達が通った高級レストラン。今でもナポレオンが座った席には、彼のネームが付けられている。

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ボードレール「美」La Beauté

「美」« La Beauté »は、ソネを構成する十四の詩句全てを通して、美そのものが一人称で語っている。台座の上の女神の像が、下から見上げる人間に語り掛けているような印象。

ルーブル美術館に入ると、勝利の女神サモトラスのニケの像が大きな船の台座の上に君臨している。あのニケが私たちに語り掛ける姿を想像すると、この詩が実感できるだろう。

Je suis belle, ô mortels ! comme un rêve de pierre,
Et mon sein, où chacun s’est meurtri tour à tour,
Est fait pour inspirer au poète un amour
Éternel et muet ainsi que la matière.

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ボードレール「美への賛歌」 Baudelaire « Hymne à la Beauté »

「美への賛歌」« Hymne à la Beauté »。
この魅力的な題名を持つ詩は、私たちに、ボードレールの詩的世界に続く美の扉を開いてくれる。

7つの詩節からなる「美への賛歌」の第一詩節で、詩人は「美」の両義的な側面に戸惑い、こう問いかける。

Viens-tu du ciel profond ou sors-tu de l’abîme,
Ô Beauté ? ton regard, infernal et divin,
verse confusément le bienfait et le crime,
Et l’on peut pour cela te comparer au vin.

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