ボードレール「美への賛歌」 Baudelaire « Hymne à la Beauté »

「美への賛歌」« Hymne à la Beauté »。
この魅力的な題名を持つ詩は、私たちに、ボードレールの詩的世界に続く美の扉を開いてくれる。

7つの詩節からなる「美への賛歌」の第一詩節で、詩人は「美」の両義的な側面に戸惑い、こう問いかける。

Viens-tu du ciel profond ou sors-tu de l’abîme,
Ô Beauté ? ton regard, infernal et divin,
verse confusément le bienfait et le crime,
Et l’on peut pour cela te comparer au vin.

続きを読む

「美」に恋する詩人、「美」に愛された詩人 ボードレールとランボー

恋愛をするとき、二人が愛し合っているようにみえても、愛する側と愛される側の間に、暗黙の上下関係がある。
相手にあこがれ、愛されたいと願うか、相手から愛され、その愛に応えるか。

詩人と美の関係にも同様のことがいえる。美に恋い焦がれる詩人は、美を追い求める。美に愛された詩人は、美をどんな風に扱っても平気でいる。

続きを読む

途轍もなく美しい詩句 マラルメ「乾杯」 Mallarmé « Salut »

ステファン・マラルメは非常に難解な詩を書く詩人。
しかし、その詩句は非常に美しい。乾杯(« Salut »)もその一つ。

パーティーの最初にシャンパンで乾杯をすることがある。
その時、グラスに目をやると、シャンパンの細かな泡がびちびちと跳ねていたりする。その状況を思い描き、最初の4行の詩句を読んでみよう。

Rien, cette écume, vierge vers
À ne désigner que la coupe ;
Telle loin se noie une troupe
De sirènes mainte à l’envers.

続きを読む