ランボー「母音」 Rimbaud, « Voyelles » ボードレールを超えて  Au-delà de Baudelaire

「母音」« Voyelles»はランボーの詩の中でも傑作とされ、多くの読者を引きつけてきた。しかし、何度読んでも難しい。なぜこんなに難解な詩が高く評価されるのだろうか。

その魅力を知るためには、ランボーが目指したものを知り、一つ一つの詩句をじっくりと読んでみるしかない。

その試みに挑んだら、ソネを構成する14行の詩句の解説に、12,000字程度費やすことになってしまった。長い長い解説。。。

アルチュール・ランボーは、1872年5月、学校の先生宛に書いた「見者の手紙」の中で、これまでの詩とは違う詩の創造を宣言する。その要点は、全ての感覚を合理的に乱し(dérèglements raisonnés de tous les sens)、新しいもの、未知のものに達する(arriver au nouveau / à l’inconnu)というものだった。

その実践として、1871年8月、テオドール・バンヴィルに向けて、「花について詩人が言われること」という詩を送りつける。
その中で、ロマン主義やパルナス派の詩をやり玉にあげ、現実を写し取る(photographier)詩を否定。
彼の目指す詩は、言葉が未知のなるものを生み出す、というものだった。

まずは、文字をたどりながら朗読を聞き、音楽性を感じよう。ランボーやヴェルレーヌにとって、詩は音楽であり、Chansonなのだ。

A noir, E blanc, I rouge, U vert, O bleu, voyelles,
 Je dirai quelque jour vos naissances latentes :
 A, noir corset velu des mouches éclatantes
 Qui bombinent autour des puanteurs cruelles,

Golfe d’ombre ; E, candeurs des vapeurs et des tentes,
 Lances des glaciers fiers, rois blancs, frissons d’ombelles ;
 I, pourpres, sang craché, rire des lèvres belles
 Dans la colère ou les ivresses pénitentes ;

U, cycles, vibrements divins des mers virides ;
 Paix des pâtis semés d’animaux, paix des rides
 Que l’alchimie imprime aux grands fronts studieux ;

O, suprême Clairon plein de strideurs étranges,
 Silences traversés des Mondes et des Anges…
 — O l’Oméga, rayon violet de Ses Yeux !

19世紀の詩法において、14行のソネでは、2つの4行詩で主題を提示し、最初の3行詩で大きな展開をし、二つ目の3行詩でまとめるという、原則的な決まりがあった。
「母音」では、最初の2行で母音と色の関係が提示され、次の6行でボードレール、パルナス派、ロマン派の詩が取り上げられる。そして、次の6行になると、ランボー自身の詩法である「言葉の錬金術」が示される。

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