第4章に至り、「私」は本格的に夢の世界(=第二の生)に入って行く。そこは死後の世界を連想させる。
その内容は、合理主義精神から見ると荒唐無稽で、意味不明だと見なされるかもしれない。しかし、日本でも、死後の世界を考える時、先祖の人々がみんなで住む村があり、死後の魂はそこで暮らすとする考え方がある。
それと同じように、肉体を離れた魂が死後の世界を訪ね、一族の一人から死や虚無、永遠などについて教えを授けられることは、一つの宗教思想の教義としても興味深い。
第4章

ある夜、私はライン河の畔に運ばれたことが確かだと思った。目の前に不吉な岩があり、そのシルエットが闇の中にぼんやりと描かれていた。私は楽しげな家の中に入っていった。夕日が葡萄で飾られた緑の窓から、楽しげに差し込んでいた。すでに知っている家に戻ったような気持ちがした。家の持ち主は母方の伯父で、100年以上前に亡くなったフランドル地方の画家だった。あちこちに素描された絵が掛かっていた。その中の1枚は、この岸辺の有名な妖精を描いたものだった。私がマルグリットと呼び、子どもの頃から知っている年老いた召使いがこう言った。「お休みにならないのですか? あなたは遠くからいらっしゃったのですし、おじさまのお帰りは遅くなります。夕食の時に起こしてさしあげます。」
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