
第1詩節で、「私」が見たいと望む「独特な存在(singuliers êtres)」には、矛盾する二つの特質が付与された。
それらは、「老いさらばえている(décrépits)」けれど、「魅力的(charmants)」でもある。
第2詩節から第9詩節にかけては、その存在についての詳細な描写がなされていくのだが、決して「老婆(vieilles)」という言葉が使われない。
もしその単語が使われると、それを受ける代名詞は女性形のellesになる。
しかし、ボードレールは最初に「怪物(monstres)」と呼び、男性単語を使うために、代名詞は男性形のilsが使われ続ける。
そのことで、老婆には女性性が失われているかのような印象が生み出される。
(ilsと書かれていても「彼女たち」としてしまう方がわかりやすいのだが、ボードレールがあえてilsとしていることを考慮し、以下に付す日本語では、代名詞を使う場合には「それら」とする。既訳では、「彼ら」としているものもあるが、それでは老婆の意味が消えてしまう。)
第2ー3詩節のポイントとなるのは、「魂(âmes)」と「謎かけの絵(rébus)」。

Ces monstres disloqués furent jadis des femmes,
Éponine ou Laïs ! Monstres brisés, bossus
Ou tordus, aimons-les ! ce sont encor des âmes.
Sous des jupons troués et sous de froids tissus
Ils rampent, flagellés par les bises iniques,
Frémissant au fracas roulant des omnibus,
Et serrant sur leur flanc, ainsi que des reliques,
Un petit sac brodé de fleurs ou de rébus ;










