
ロマンス詐欺・投資詐欺・霊感商法系の詐欺・架空請求詐欺といった各種の詐欺と、フェイクニュースやインフルエンサーを一列に並べると、一方は犯罪であり、他方は犯罪ではない活動であるため、同列に置くのは間違っていると思われるかもしれない。もちろん、健全な情報発信を行っているインフルエンサーも多く、これらを悪質性において同等とみなすわけではない。しかし、インターネットという仮想空間において、「感情を揺さぶり、受け手に情報を信じさせることで成立する経済活動」という点に注目すると、共通する情報伝達の仕組みが見えてくる。
そこでの「情報操作の基本文法」は、強い刺激によって感情を動かし、情報の真偽を検証するプロセスを省略させる心理状態を作り出すことである。そして、その結果として、情報の発信者と受信者の間に「閉じた仮想空間」が形成される。
その仮想空間の中で、発信者は、受信者が「真実性の錯覚」に陥るように導く。受信者は、心理的に外部からの情報を遮断し、発信者から与えられた情報以外を受け入れにくい状態に置かれる。
その空間は、あくまでもネット上の「仮想」でありながら、ネットの向こう側では「現実」とつながっている。そのため、発信者が利益を得る一方で、情報に動かされた受信者が、金銭を失ったり、犯罪に巻き込まれたりする事態に陥ることもある。
情報操作の基本文法を理解しておくことは、「真実性の錯覚」に導かれることを避けるための、有効な防衛策となるはずである。
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