丸山真男 「思想のあり方について」 — 『日本の思想』を読み解く 2/2 現在進行中の世界の姿

丸山真男の『日本の思想』に収録されている「思想のあり方について」を読んでいる。1957年に行われた講演の原稿を元にした評論だが、21世紀に入り、SNSによって変容してしまった現代の日本、さらには世界のあり方を驚くほど鮮やかに先取りしている。

一言で言えばこういうことだ。人々はSNSによって広く繋がっているように見えて、その内実は思考のコミュニティが「タコツボ化」し、仲間内だけで通用する言葉や考え方に閉じこもっている。その結果、他者への差別的な意識と言語が強化され、その反作用として被害者意識が生まれるという悪循環が形成されてしまう。そうした社会構造が、いまや完全に出来上がっているのが現状だ。

丸山がここで描いたのは、明治維新を契機に伝統的な日本の価値観へと西欧思想が急激に入り込み、そのために起こった弊害が第二次世界大戦後も地続きで残っている状況だった。しかし、そこで指摘された「タコツボ化」という構図が、いまや21世紀の世界全体にまで広がっている事実には、深い驚きと切なさを禁じ得ない。

それでも、これが私たちの生きるリアルなのだ。まずはこの現実を冷徹に認識することこそが、次の一歩を踏み出すための確かな足場になるに違いない。

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丸山真男 「である」ことと「する」こと — 『日本の思想』を読み解く 1/2 今を生きる私たちへの道しるべ

丸山真男の「『である』ことと『する』こと」は、1958年(昭和33年)の講演を下敷きに執筆され、『日本の思想』(岩波新書、1961年)に収録された評論であるが、21世紀の現在でも、日本社会や日本人の心理構造を理解する上で重要な示唆を与えてくれる。

その理由は、政治学者である丸山の関心が、明治維新以降の近代化のプロセスにおいて、「飛鳥時代に本格的な形をとった日本の伝統」と「開国を契機とした西欧文物の急速な移入」という、二つの大きな潮流の複雑な絡み合いを探ることにあったからだと考えられる。

このことは、丸山の思索が「自然と作為」「成ると為す」「『である』と『する』」といった二項対立の概念を軸に展開されていることからも窺える。「伝統と近代」という問題もまた、この対比と深く関わっている。

現代の日本は、海外から「超近代的な側面を持ちながらも、他方で伝統文化を色濃く残す国」として知られ、時に驚きをもって語られる。「『である』ことと『する』こと」を読み解いていくと、まさに「である」の伝統と「する」の近代との葛藤が、今の日本でも地続きで存在していることに気づかされる。

60年以上も前に書かれた評論でありながら、丸山のまなざしは1000年以上の歴史を射程に収めており、現代社会の分析にとどまらず、「日本」という国や日本人の心のあり方を根底から知るための貴重な考察となっている。

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