ジェラール・ド・ネルヴァル 「ボエム・ギャラント」をめぐって その3

『ボエム・ギャラント』は、題名の後に「アルセーヌ・ウッセーに(À Arsène Houssaye)」、『忠実な羊飼い』からのイタリア語の引用、「我が友よ(Mon ami)」で始まりウッセーの詩「二十歳(Vingt ans)」からの8行の引用で終わる「まえがき」が置かれ、その後やっと第1章が始まる。
ジェラール・ド・ネルヴァル 「ボエム・ギャラント」をめぐって その1
ジェラール・ド・ネルヴァル 「ボエム・ギャラント」をめぐって その2

その際にも、「二十歳」からの引用が最初に置かれ、次に本文がやっと始まる。ここではまず引用された3行の詩句について見ていこう。

          I
        PREMIER CHÂTEAU

Rebâtissons, ami, ce château périssable 
Que le souffle du monde a jeté sur le sable. 
Replaçons le sopha sous les tableaux flamands… 

      第1章
      第一の城

もう1度建てよう、友よ、あの儚い城を、
現実世界の風が、砂の上に吹き倒してしまったあの城を。
もう1度置こう、あのソファーを、フランドル派の絵の下に。。。

続きを読む

ボードレール 想像力の美学 1859年のサロン Baudelaire Salon de 1859 De l’imagination

ボードレールの「1859年のサロン」は、想像力を中心に据えた絵画論。
その中で、「1846年のサロン」で提示した絵画論(自然を素材として、画家の内部の超自然(surnaturel)なイメージに基づいた創造物を制作する)という、最も基本的な概念を変更することはない。

しかし、今回は、「想像力(imagination)」を人間の「諸能力の女王(la reine des facultés)」と定義し、想像力との関係から、描かれる対象、画家、画法、作品の関係を考察する。
そして、創造の目的が、最終的に、新しい世界(un monde nouveau)、新しさの感覚(sensation du neuf)を生み出すことであるとする。

1846年の芸術論は、ロマン主義とは何かとい問いかけに対するボードレールなりの回答であった。それに対して、1859年の芸術論は、現代性(モデルニテ)と呼ばれる新しい芸術観の出発点となっている。

続きを読む