
「4.若い時代」では、自分の過去を祖父の時代に遡り語ったのに続き、「5.少年時代」では、7歳くらいから青春時代までの思い出が綴られる。
1815年、エルバ島を脱出したナポレオンがパリに戻り、シャン・ド・マルス(ネルヴァルの時代にはシャン・ド・メと呼ばれていた広場)で行った軍事集会、ネルヴァルの叔母や友人たちは、現実に存在したことが確認される。
その一方で、一人の作家・詩人の形成を説明するために潤色されたと考えられるエピソードも多々見られる。
それらのエピソードを通して、ネルヴァルが自分をどのような作家・詩人として提示しようとしたのだろ? その問いを頭に置きながら、死を目前にした彼の自画像を読んでいくことで、私たちはネルヴァルの世界を徐々に理解していくことになる。
5.少年時代

不吉な時が、フランスに対して鳴り響いた。フランスの英雄(ナポレオン)自身、巨大な帝国の内部に捕らえられ、「シャン・ド・メ」の地に、忠誠を誓ったエリート軍人たちを集結させた。私がその崇高な光景を見たのは、将軍たちの席からだった。黄金の鷲で飾られた旗が彼らの部隊に配布されていた。それらの旗は、それ以後、全員の忠誠に委ねられるものになった。
ある夜、私は、町の巨大な広場の上に、巨大な飾りが広げられているのを目にした。海に浮かぶ船が描かれていた。大帆船が大荒れの海で揺れながら、岸を示す塔の方に向かっているようだった。激しい突風が絵に描かれた光景を台無しにした。不吉な前兆で、祖国に外国人たちが戻ってくることを予告していた。
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