日本人と言葉 2015年カンヌ映画祭における是枝裕和監督『海街 Diary』公開記者会見を通して

2015年のカンヌ映画祭において、是枝裕和監督の『海街 Diary』の公開記者会見が行われた。
その際の受け答えで、是枝監督が作品の意図を言葉で分析的、論理的に伝えているのに対し、四人の女優は感想や印象といった個人的な思いを語ることに重きを置いている。

日本人のコミュニケーションの理想は、「言わずもがなの関係」の中、「あうんの呼吸」でわかりあえることかもしれない。そして、「言わなくても分かり合え、言葉にしなくても通じ合う」ことが最も好ましい人間関係だとすると、言葉は、本質的には、それほど必要とされていないのかもしれない。

論理的で明確な意味を伴った言葉は違いを生み出す可能性もあり、避けられることもある。
そこで、感想や印象といった個人的な思いを伝え、相手はその感情を受け取り、共感に基づく人間関係が成立する。
日本の中にいると当たり前すぎて気づかないのだが、一歩日本から外に出てみると、そうした日本的言語表現に気づくことがある。

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ラ・フォンテーヌの寓話とペローの昔話

17世紀後半はルイ14世が君臨した時代。当時の文学作品を読んでみたいという人がいたら、真っ先に推薦できる作家がいる。
一人は、ラ・フォンテーヌ。彼は、イソップ寓話を新しい読み物として語り直した。
もう一人は、ペロー。彼は、フランスの民話を取り上げ、王族や貴族の子女に向けて昔話を再話した。

「セミとアリ」「カラスとキツネ」といったイソップ寓話も、「赤ずきんちゃん」「シンデレラ」といった昔話も、私たちはよく知っているし、17世紀の読者にとっても同じことだった。従って、物語られる出来事に目新しいものはないはずである。

では、どこに興味を持って、ラ・フォンテーヌやペローを読めばいいのだろう? 彼らの書いたものを読むことで、何が理解できるのだろうか?

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トミー・フラナガン サイド・メンバーとして参加している名盤

トミー・フラナガンジャズ・ピアノは、リリカルでありながら、グルービーでもあり、聞き手の心を包み込み、幸福な気持ちにしてくれる。

そんなフラナガンがリーダーとしてグループを引っ張るアルバムもいいが、サイド・メンバーとしてアルバムに参加しているときも、素晴らしい演奏を繰り広げる。
「名盤の陰にトミフあり」などと言われたこともある。

名盤中の名盤は、テナー・サックス奏者ソリー・ロリンズの「サクソフォン・コロッサス」。
とにかく明るく楽しい。
youtubeで、アルバム1枚丸ごと聞くことができるが、最初「セント・トーマス」から5曲目の「ブルー・セヴン」まで、何度聴いても飽きることがない。

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中原中也 時こそ今は・・・ 人生と作品

中原中也は、自分の人生で起こったことを題材として取り上げ、赤裸々に詩の中で語るかのような印象を与える詩人である。

「時こそ今は・・・」の中の「泰子」は長谷川泰子だろうし、「冬の長門峡」は現実の長門峡の情景を前提とし、「帰郷」で歌われる「私の故郷」は山口県の湯沢温泉を指す。
中也の詩は、彼の人生の具体的な出来事を契機として生み出されたと考えていいし、詩の理解にはそれらの出来事の知識が大いに役立つ。

しかし、詩の言葉を全て現実の出来事に関連付け、詩人の人生から作品を解釈するとしたら、詩としての価値を大きく減らすことになってしまう。
たとえ個人的な出来事を歌った詩であっても、それが読者の心を打つためには、普遍性を持つ詩句である必要がある。
こう言ってよければ、詩人の仕事は、何を語るかと同時に、どのような言葉を選択し、それらの言葉をどのように配置し、一つの詩的世界を構築するかにかかっている。
出来上がった作品は、現実から独立し、詩としての価値を持つ。
だからこそ、読者は、中也の詩句を読み、たとえ彼の人生を知らなくても、心を動かされるのだ。

こうした人生と作品の関係について、「時こそ今は・・・」を読みながら、少しだけ考えてみよう。

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中原中也 六月の雨 歌の生まれる場

中原中也は耳の詩人であり、彼の詩は声に出して読んでみると、歌を歌う時と同じような心地よさがある。
彼は子供の頃、和歌を数多く読み、地元山口県の新聞に投稿などしていた。
詩人になってからも、5音と7音の詩句を使い、日本人の体に染みついている和歌や俳句のリズムを活かし、詩に音楽性を与えていった。

詩句に音楽を。
フランスの詩人ヴェルレーヌが掲げた詩法を、中也は日本の伝統的な歌=和歌の音節数を持つ詩句で実現したといってもいいだろう。

しかし、それだけではなく、中也の詩は、子守歌の歌心と音楽性を取り入れ、赤ん坊を揺するように読者の心を揺すり、ノルタルジーとメランコリーの中にまどろませる。
その具体的な例として、佐々木幹郎は『中原中也』(ちくま学芸文庫)の中で、「六月の雨」と「ねんねんころりよ おころりよ」を取り上げている。

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スエズ運河の歴史 大型コンテナ船の座礁を通して振り返る

アジアとヨーロッパを結ぶ海上交通の要衝、エジプトのスエズ運河で大型のコンテナ船が座礁し、運河が通行不能になっている。
この事故が世界経済にもたらす被害も甚大だが、それと同時に、スエズ運河の歴史を振り返っておくことも興味深い。

Canal de Suez : un porte-conteneurs échoué provoque un gigantesque embouteillage.

Depuis ce matin (24 mars 2021), un porte-conteneurs taïwanais est coincé en travers du canal de Suez, en Egypte et provoque un gigantesque embouteillage sur cette autoroute maritime particulièrement fréquentée.

ローランド・ハナ 品位あるジャズ・ピアノ

ローランド・ハナのジャズ・ピアノは、凜として、品がいい。
ジャズ的なリズム感と豊かな音色が溶け合い、同じ曲を何度も、いつまでも、聞いていたい気持ちになる。

彼が好きな絵は、モネの睡蓮だという。実際、アルバム「Dream」に納められた「So in love」からは、モネの睡蓮のイメージを感じることができる。

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