ボードレール「美」La Beauté

「美」« La Beauté »は、ソネを構成する十四の詩句全てを通して、美そのものが一人称で語っている。台座の上の女神の像が、下から見上げる人間に語り掛けているような印象。

ルーブル美術館に入ると、勝利の女神サモトラスのニケの像が大きな船の台座の上に君臨している。あのニケが私たちに語り掛ける姿を想像すると、この詩が実感できるだろう。

Je suis belle, ô mortels ! comme un rêve de pierre,
Et mon sein, où chacun s’est meurtri tour à tour,
Est fait pour inspirer au poète un amour
Éternel et muet ainsi que la matière.

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ボードレール Baudelaire 「芸術家の告白」Le Confiteor de l’artiste

「芸術家の告白」« Le Confiteor de l’artiste »の中で、ボードレールは自らの詩学を散文詩として表現した。彼が芸術家として目指すもの、苦しみ、恍惚感を吐露した告白なのだ。

「芸術家の告白」は1862年に発表され、ボードレールがこの時代に一時暮らしたノルマンディー地方の港町オンフルールHonfleurで執筆されたと考えられている。

オンフルールは、ノルマンディーの海岸と雲を数多く描いたウージェーヌ・ブーダン(Eugène Boudin)の活動拠点。「ドーヴィルの埠頭」。この海岸で、詩人としての思いを綴ったのだろうか。

同じノルマンディー地方にあるグランヴィル近く。真っ青な海と真っ青な空がどこまでも広がり、小さなヨットが浮かぶ。

青い海の上を航行する帆船
Granville

決して到達できない「美」に達するために戦いを続ける芸術家の苦悩と喜びを告白するのは、この海と空の中に一人佇む時だろう。

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枯葉 feuilles mortes autumn leaves

「枯葉」は、どんなジャズマンも取り上げるスタンダード・ナンバーの一つ。
原曲は、フランスの有名な詩人ジャック・プレベールの作詞で、曲はジョゼフ・コスマ。1946年の映画「夜の門」の挿入歌として、イヴ・モンタンによって歌われた。
フランス語の「枯葉」Feuilles mortesは、かつて愛し合っていた恋人が、人生の中で静かに別れ、消え去っていくという、とてもロマンチックな歌詞を持つ。
その歌がアメリカに渡り、autumn leaves(秋の葉)になった。秋の木の葉が散り始める時、夏の日の口づけが終わったことを告げられ、寒い冬が予告されるという内容。

エディット・ピアフが英語とフランス語で歌っているヴァージョンがあるので、両方の歌詞を知るにはもってこい。

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ボードレール「美への賛歌」 Baudelaire « Hymne à la Beauté »

「美への賛歌」« Hymne à la Beauté »。
この魅力的な題名を持つ詩は、私たちに、ボードレールの詩的世界に続く美の扉を開いてくれる。

7つの詩節からなる「美への賛歌」の第一詩節で、詩人は「美」の両義的な側面に戸惑い、こう問いかける。

Viens-tu du ciel profond ou sors-tu de l’abîme,
Ô Beauté ? ton regard, infernal et divin,
verse confusément le bienfait et le crime,
Et l’on peut pour cela te comparer au vin.

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中原中也「寒い夜の自我像」 人間の弱さと詩情 

人間は誰でも弱さを抱えて生きている。その弱さを自覚をしたとき、肩肘を張って強さを装うのか、押しつぶされて自己嫌悪に陥るのか、見ないようにして逃げようとするのか。対応はいろいろある。

中原中也は「寒い夜の自我像」の中で、どうしようもない弱さを前にして、どうにかこうにか折り合いをつけようともがく。その自分の姿を言葉で描き出しながら、そこに詩情を生み出している。

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「美」に恋する詩人、「美」に愛された詩人 ボードレールとランボー

恋愛をするとき、二人が愛し合っているようにみえても、愛する側と愛される側の間に、暗黙の上下関係がある。
相手にあこがれ、愛されたいと願うか、相手から愛され、その愛に応えるか。

詩人と美の関係にも同様のことがいえる。美に恋い焦がれる詩人は、美を追い求める。美に愛された詩人は、美をどんな風に扱っても平気でいる。

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