
プラトンは肉体を魂の牢獄と考えた。
魂は天上のイデア界にあり、誕生とは、魂が地上に落ちて肉体に閉じ込められることだとされる。
この魂と肉体の関係が、プラトンによる人間理解の基本になる。
それを前提とした上で、プラトンにおける美について考えてみよう。
天上の世界にいる時に美のイデアを見た魂があり、その記憶は誕生後も保持される。
地上において美しい人や物を目にすると、天上での記憶が「想起」され、それを強く欲する。
その際、感性によって捉えられる地上の美は、天上で見た美のイデアを呼び起こすためのきっかけとして働くことになる。
従って、プラトン的に考えると、ある人や物を見て美しいと感じるとしたら、それはすでに「美」とは何かを知っているからだ。逆に言えば、「美のイデア」を見たことがなければ、地上において美を求め、美を愛することはないということになる。
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