
宮沢賢治の「めくらぶどうと虹」は原稿用紙7枚ほどの短い童話だが、東洋的あるいは日本的な世界観、生命感が誰にでも理解できる穏やかな言葉で語られている。
童話は、東北の言葉で「めくらぶどう」と言われる野ブドウと虹の間のやり取りの中で展開する。
地上のめくらぶどうは自分を価値のない存在と考え、天空に架かる美しい虹に憧れを抱き、「今日こそ、ただの一言でも、虹と言葉を交わしたい。」と望み、虹に「どうか私の敬いを受け取って下さい。」と訴える。
そんなぶどうに対して、虹の方では、「敬いを受けることはあなたも同じです。」とか、「あなたこそそんなにお立派ではありませんか。」と応え、ぶどうと自分との間に違いはないと応える。
その虹の言葉は、決してぶどうを慰めるためのおべっかではなく、一つの世界観、宗教観、生命観に基づいている。
ここではまず、「めくらぶどうと虹」の朗読(約9分)を聞き、童話全体を知ることから始めよう。






